アローラ!ポケントニスライターの いきうす です。
みなさま、3/23にYouTubeに投稿された とーしん さんことイトウ シンタロウ選手のミュウVMAXの動画はご覧になられましたでしょうか?
この動画の中でイトウ選手は今ミュウVMAXにほとんど必ず採用されているといっても過言ではないウッウロボについてこのように言及していました。
「ウッウロボ本当にいるのかなって言うのはね、非常に難しいんですよね。」
「メリットはすごい話せるんですけど、ウッウロボのデメリットをちゃんと正確に理解して、メリットとちゃんと天秤に乗せれてる人って、まだ俺あんまり見てなくて。」
本編1:05〜
確かに本サイトのミュウVMAXの記事でもウッウロボを採用するメリットについては言及しておりましたが、デメリットについては詳しく述べておりませんでした。
Twitterでもイトウ選手のこの発言について、様々な議論が散見されました。
本記事では、件の動画をミュウVMAXのテンプレ構築を再考する絶好の機会と捉え、今一度ウッウロボのメリット/デメリットを洗い出した上で、本当にウッウロボがミュウVMAXのデッキに必要なのか自分の言葉で考えていきたいと思います!
考察の前に
本記事ではあくまでミュウVMAXデッキにおけるウッウロボのカードとしての性能を見ていきます。
ですので、ウッウロボの入手難易度や値段は考慮しないものとします。
とはいえ、論理的にウッウロボが不要だと言えるのであれば、ミュウVMAXはもっと多くのプレイヤーが楽しめるデッキになることは間違い無いですよね。
本記事ではウッウロボを採用しないリストもご紹介しますので、是非ご参考にしていただけると幸いです!
ウッウロボのスペックと歴史
ウッウロボをよく知らない方のためにカードの解説です。
コイントスで表を出すことによって、エネでもサポートでもグッズでも何でも好きなカードをサーチできます。
一方でウッウロボは手札を2枚失い、その上でコイントスをしなければいけないという、リスクに対しリターンが伴わないカードでこれまで全く使われてきませんでした。
しかし ゲノセクトV が登場したことで状況は一変。
特性:フュージョンシステム によって、仮にウッウロボで裏が出たとしても、フュージョンシステムで失った手札分ドローできるようになりデメリットが実質無くなったも同然となりました。
日本ではウッウロボは店舗大会の参加賞でもらえるパックからランダムでしか手に入らないため、ミュウVMAXの登場以降ウッウロボの値段は大高騰し、現在では1枚1万円近くで取引されるようになりました。
ミュウVMAXにおけるウッウロボのメリット
さて、ここからはミュウVMAXデッキでウッウロボを採用することにどんなメリットがあるのか考えていきます。
細かいメリットはたくさんありますが、大分類では以下の3つになると思います。
- デッキの全ての種類のカードに変わりうる
- ゲノセクトVのドローの質が上がる
- 初ターン以降のバトルVIPパスの処理
デッキの全ての種類のカードに変わりうる
ウッウロボのサーチ対象は「カード」のため種類問わず全てのカードをサーチできます。
故にこのカードは特殊エネルギー、スタジアム、サポートといった縦引きする以外に手札に持ってくることが難しいカードを持ってこれる可能性を秘めています。
序盤であれば、カミツレのきらめきやバトルVIPパス。
中終盤であれば、ボスの指令やあなぬけのヒモ、パワータブレット。
頂への雪道を張られたならば、スタジアム。
といったように、その時その時必要なあらゆるカードに変化できます。
現状のスタンダードレギュレーションで全てのカードを現実的にサーチできるのは、ウッウロボくらいしか無いです(ボロのパソコンやキャンプセットはありますが…)。
ゲノセクトVのドローの質が上がる
これは直感だけでは理解しにくいと思いますので、しっかりご説明いたしますね。
そもそもミュウVMAXのデッキはゲノセクトVの特性によってガンガンドローできます。
ゲノセクトVが2体立っていれば、ターン開始のドローも含め毎ターン6〜8枚は余裕で引き込めます。
ですので、フュージョンシステムが止まらなければ大体欲しいカードを引き込めるでしょう。
しかし、そこにウッウロボを採用することで「大体」の期待値が跳ね上がるのです。
フュージョンシステムの大量ドローに加え、ウッウロボを使用することで「50%で好きなカードをサーチできるチャンス」が生まれます。
仮に裏が出て失敗したとしても手札を2枚減らせているので、手札が減った分フュージョンシステムでさらに引き込むことができます。
初ターン以降のバトルVIPパスの処理
バトルVIPパスは初ターンに引けると強いですが、以降は使い道がなく手札で腐るだけのカードです。
しかしバトルVIPパスはグッズであるため、ウッウロボでトラッシュできます。
これにより、フュージョンシステムで引き込むカードの枚数も増やせ、バトルVIPパスのデメリットを減らすことができます。
ミュウVMAXにおけるウッウロボのデメリット
ここからはミュウVMAXでウッウロボを採用するデメリットについて考えていきます。
- 重要な局面をコイントスに託してしまう
- 必要なカードまでトラッシュしてしまう可能性
- ウッウロボ自体が手札で腐る
重要な局面をコイントスに託してしまう
結局ウッウロボは確定サーチではありません。
例えばゲームの終盤、ボスの指令を引ければ自分の勝ちという状況。
果たして試合の終盤大事な詰めの場面をコイントスに託しても本当に良いのか。
ウッウロボでサーチする前提でデッキを構築するのではなく、他のカードを採用することで別の勝ち筋を作れないのか検討する必要があるでしょう。
例えば、ポケギア3.0 は山札の上から7枚見てその中からサポートを持って来れます。
終盤の山札が薄くなっている状況であれば、コイントスよりも高い確率でボスの指令をサーチできるはずです。
確かにサポート以外にもウッウロボはサーチ手段の広さが魅力ですが、1/2以上の確率でサーチできる他のグッズの採用も考慮すべきです。
必要なカードまでトラッシュしてしまう可能性
前述の通り初ターン以降バトルVIPパスをウッウロボでトラッシュすることは強い動きです。
しかし、そう都合良く手札にいらないグッズがあるとも限りません。
仮にウッウロボで何かをサーチしたいときに手札にパワータブレットしかグッズがない場合を想定します。
パワータブレットは中終盤において、相手ポケモンVMAX・VSTARをワンパンで落とせるかどうかの鍵を握る極めて重要なカードです。
途中で手札に来たとしてもトラッシュせず大切に抱えておく場合が多いです。
しかし道中にウッウロボを使わなければいけない状況で泣く泣くパワータブレットをトラッシュしてしまうと中終盤勝ち切れなくなってしまう可能性があります。
ウッウロボでのサーチを前提としない構築であれば、別の解答を作れるかもしれませんが、ウッウロボをデッキに入れることで自らリソース管理を難しくしている可能性があります。
ウッウロボ自体が手札で腐る
ウッウロボはグッズをトラッシュすることで初めて使えるカードです。
しかしそもそも手札にウッウロボ以外にグッズがなかったり、前述の通りパワータブレットなどトラッシュしたくないグッズしかない場合はウッウロボの発動自体が出来ないです。
そもそも発動できなければ欲しいカードをサーチできる確率は50%どころか0%です。
そういったケースも含めると、実はウッウロボがサーチできる期待値は50%よりも低いものになっているのではないでしょうか。
ウッウロボは本当に必要??
以上を踏まえてミュウVMAXにウッウロボが必要なのか、自分なりの考えを述べていきます。
結論から申し上げると、ウッウロボは
「必要」です。
以下でその理由を述べていきます。
カード指定サーチの有用性
上記デメリット効果を考慮しても、やはり自分はカード指定サーチの有用性を捨て切れませんでした。
リソース管理に関しては、構築ベースではなくプレイングベースで解決できるものと考えます。
Cレギュ落ちの影響もいまだ色濃く、サーチ手段がまだまだ弱いためウッウロボに頼らざるを得ないのが現状です。
メタカードのメタカード
そもそも何故ウッウロボを採用するようになったのか考えてみました。
筆者はスターバース環境の前、つまりCレギュのカードが使えた時期からミュウVMAXを使用していましたが、その時はデッキにウッウロボを採用していませんでした。
しかしあるタイミングから、ウッウロボを採用せざるを得なくなったのです。
それはマーシャドーと混沌のうねりのレギュ落ちです。
この2枚が使えなくなったことで、ミュウVMAXのメタカードである頂への雪道を複数枚積んだデッキに対する回答札を失ってしまいました。
もちろんメタは頂への雪道だけではないです。
この記事を書いている時点でのミュウVMAXの立ち位置は間違いなく環境トップです。
それがメタゲームにおいて何を意味するのか。
それはミュウVMAXはあらゆるデッキの仮想敵として対策されまくるということです。
例えば頂への雪道、例えばエネ破壊、例えばセイボリーなどTier2以下のデッキはあらゆる手段でミュウVMAXのデッキの動きを止めようとしてきます。
そういった多種多様なメタカードに対し、ウッウロボはコイントスひとつで柔軟に対応することができます。
つまりウッウロボとはメタカードのメタカードなのです。
現スタンダードレギュでこの役割を果たせるのはウッウロボ以外いません。
もし、今後環境により強力なデッキが現れ、ミュウVMAXがTier1から転落した時、同時にメタの対象がミュウVMAXではなく新たなTier1デッキになるはずです。
その時初めてウッウロボが必要なくなるのだと思います。
しかしながら、コイントスに試合を託したくないという認識は僕も共通で持っています。
「ウッウロボを使いたい!」というよりは、現実的にウッウロボしか選択肢がないという方が正直近いです。
つまり今後グッズ・サポートによるサーチ手段が強化されれば、ウッウロボを採用するよりも強い構築を作れる可能性は十分にあります。
ウッウロボ不採用型ミュウVMAXのレシピ
最後にこの記事を書くにあたって筆者が考えた「ウッウロボ不採用型ミュウVMAX」のレシピをご紹介します。
ウッウロボもスマホロトムも採用していないためかなり安く構築することができます!!
思いの外ちゃんと動くし、そもそもミュウVMAX自体のデッキパワーが高すぎるため、大幅に弱体化したようにも感じませんでした。
ただ、構築を煮詰めた時間はウッウロボ採用型よりも圧倒的に短いため改善の余地が沢山あると思います。ご参考程度に見ていただけると幸いです。
4/8発売の新弾「スペースジャグラー」にて エネくじ の収録が発表されました。
これによってグッズで特殊エネルギーがサーチできるようになり、ウッウロボで無理して持って来なければいけないカードが減りました。
このようにサーチ手段が充実してくれれば、コイントスに頼らず欲しいカードをサーチできるようになるので今後のカードプールに期待です!
個人的には ダートじてんしゃ や スタジアムナビ あたりの再録、もしくは似たような効果のカードが収録されれば、ウッウロボの採用は切ります!!
最後に
いかがだったでしょうか?
個人的にはテンプレ構築を疑うことで、新たな発見や構築の可能性に気づくことができてやって良かったなと感じました。
これまでウッウロボの採用について「結果を出しているリストに入っているから」「使ってみたら普通に強かったから」くらいの考えしかなく、改めて構築を自分で考えて自分で検証することの大切さを実感しました。
検証の結果、ウッウロボは必要と自分なりに結論づけましたが、確かに採用するかどうか判断が難しいカードであることに気づきました。
それはウッウロボを使用せずとも動きの再現性がる程度担保されているからです。
しかし結論で述べた通りウッウロボはメタのメタとしての採用ですので、そもそもが自身のデッキの動きを強くするためのカードではないと位置付けました。
すると同様の役割を果たせるのはウッウロボしかいないという結論に至ったわけです。
もちろん今後のカードプール、研究次第ではこの結論がひっくり返る可能性は十分あります。
それくらい白黒付けるのが難しい命題でした。
この命題を解決するためにはもっと多くの人の研究・検証が必要です。
是非これを読んだ皆様もウッウロボの採用について今一度考察し、ご自身の考えを発信していただけたらと思います。
結びとなりますが、本記事について執筆のきっかけを与えてくださったイトウ シンタロウ選手に大きな感謝申し上げます。
本記事が少しでも皆様が自身のデッキを深く考えるきっかけとなったら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。アローラ〜!!